DO3TABLEのつくり手

品質のため努力を惜しまない生産者を、
味と安全を追求する製造者を讃えて。

ニセコ リン・リンファーム

代表 鈴木 登 さん

場所:ニセコ

生産者からのメッセージ

ニセコ リン・リンファームは、2021年に5頭の牛を導入してスタートした牧場です。国内を旅する途中でニセコの酪農に出会い、その魅力に取り憑かれたことがきっかけでした。牛の飼い方を学ぶため、地域で酪農ヘルパーとして働くなかで、訪問した酪農家さんの一軒が手掛けていた放牧酪農に衝撃を受け、牛舎はパイプハウス、バルククーラーは中古コンテナと、ローコストで新規就農したというのが経緯です。現在は、牛の数も10頭になりましたが、当面、これ以上は増やさず、放牧の質を高めることで希少価値の高い生乳をつくり、6次化に取り組んでいくというのが、牧場としての方針です。そうしたなか、2023年に閉店したチーズ専門店、ニセコフロマージュの看板商品として人気を博していた「クリスピーチーズ」をオーナーから託され、製造を引き継いで同じ味を守ることになりました。この商品を経験として、独自の商品づくりに取り組んでいきたいと思っています。牧場で牛がのびのび過ごす様子も見にきてほしいですね。

株式会社マルユウ

常務取締役 高岡 由美さん

場所:根室

生産者からのメッセージ

缶詰工場で働いていた従業員仲間が集まり、1979年に立ち上げたのがマルユウです。当時のメンバーはすでに引退していますが、昔から行われていた製法を引き継ぎ、さらにおいしくするために切磋琢磨しながら生産を続けています。規模の小さな工場だけに、生産量は限られますが、根室特産の花咲がに、ほたて貝、ほっき貝、さけ、さんまなど地元の素材を生で使うことにこだわり、さらに、アミノ酸、増粘剤などを使わず、醤油も道産でアルコールの入っていないものを使うなど、添加物を極力減らし、安全でおいしい缶詰づくりに取り組んでいます。さんまやいわしは、一つひとつていねいに魚などの断面を見せながら缶に詰め、菊詰(開けた時の姿が花びら型)という手法により、最終段階でも内臓の残りなどを取り除くことで、きれいな、臭みのない製品に仕上げています。開けた時に〝おいしそう!〟、食べた時に〝おいしい!〟と言っていただけるものづくりが当社のモットー。根室の幸の味覚をぜひ、知ってほしいと思います。

株式会社ヤマニ野口水産

代表取締役 小野寺 正司さん

場所:留萌

生産者からのメッセージ

数の子といえば、正月料理の定番。かつてニシン漁で栄えた留萌の特産品でもありますが、一方で普段、頻繁に口にするものではありませんでした。そこで、手軽につまめる燻製仕立ての数の子を考案しました。当社は1970年代初頭、ホッケの燻製の製造で創業し、現在は鮭とばなど鮭製品が中心となっています。北海道産の鮭のみを使ったとばには、独自開発の調味液に漬け込んで乾燥させるタイプと、ナラのチップ材を用いる伝統的な燻煙製法によるタイプがあります。このうち燻煙製法は手間がかかりますが、数の子にもこの製法を応用することで、独特の食感を生かしつつ、香り高く仕上げました。鮭とばではほかに、アイヌの人たちが行っていた鮭と塩だけで仕上げた製品もあります。昔ながらの味わいを活かすと同時に、仕上げにひと手間かけて柔らかさも実現しました。地場の産品や製法を守りながら、ニーズに合わせて機能性やデザイン性をアップするという思考で、新たな製品づくりに取り組んでいます。

株式会社四季舎

代表取締役 鈴木 花次雄さん

場所:苫小牧

生産者からのメッセージ

私たち四季舎は、郵便局のふるさと小包を通して道内各地の農産品、海産品や加工品を販売することから事業をスタートし、2000年を過ぎた頃から、さつまいもを使った和・洋菓子の製造に取り組むようになりました。当初は、さつまいもといえば、ほとんどが茨城県など全国の産地から入ってくるものでしたが、同じ頃、道南の厚沢部町に酒造メーカーが農業生産法人を立ち上げ、さつまいもの生産が始まります。当社では、同法人から紅はるか、紅あずま、黄金千貫というさつまいもを契約で仕入れ、干し芋などを製造しています。高温で殺菌した後、低い温度で時間をかけて干すという製法により甘味を引き出し、しっとりと柔らかく仕上げていることが特徴です。厚沢部町を皮切りに、道内では近年、さつまいもが盛んに栽培されるようになり、生産量も倍々ゲームで伸びています。〝北海道はさつまいもの産地〟と呼ばれるようになる日もそう遠くはないなか、お菓子や栗きんとん用のペースト製造にも力を入れたいと思っています。

株式会社北海道日の出食品

代表取締役 新保 陽一郎さん

場所:根室

生産者からのメッセージ

1960年代初頭に、父と叔父が珍味づくりを始めたのが当社のルーツです。当時、根室にはまだ、魚介を使ったおつまみの製造会社はなかったそうです。平成に入り、安価な輸入珍味の攻勢を受けるかたちで、事業撤退を余儀なくされましたが、2000年に入る頃から製造に着手していた無添加の珍味に評価をいただき、2002年に新たなスタートを切りました。折からの健康志向を意識し、防カビ剤であるソルビン酸を使わず、代わりに当時、流通し始めた脱酸素剤を封入することで、カビ発生の原因の一つを取り除くという方法を確立。さらに、甘味料のソルビット、うまみ調味料のアミノ酸、酸味料なども使用せず、昆布・かつお・椎茸だし、砂糖・食塩など昔からある調味料のみで仕立てることで、素材のうま味を活かした乾燥おつまみを製造しています。さらに、細菌検査はもとより、食品の保存性の指標となる水分活性の測定も実施。定番のいか商品のほか、鮭やほたて貝ひも、たらを使った優しい味わいの珍味を、根室の地で生産しています。

株式会社北海道米菓フーズ

取締役業務部長 松田 貴将さん

場所:旭川

生産者からのメッセージ

北海道はもち米の一大産地です。収穫量は全国1位。けれども、もち米を使った「おかき」などの米菓を製造するところは少なく、当社の地元、道北では皆無です。そこで、もち米という北海道の豊かな素材を使った製品づくりはできないだろうか、という思いを抱き、2011年に創業しました。法人農家さんからの仕入れを基本とし、道産というだけでなく産地・品種、生産者もわかるもち米でおかきを製造しています。醤油や塩のほか、かぼちゃ、とうもろこし、昆布、鮭などフレーバーも北海道産。文字どおり〝北海道のおかき〟をモットーに商品開発に取り組み、もち米の産地の方々、そして農家さんが、わがまちの商品として自信をもっていただけるおかきのOEMを中心に事業を展開しています。おかきのほか、油を使わない特許製法の焼きおかき、うるち米の煎餅なども扱い、地域の特産品づくりサポートするというのが当社のモットー。限られた地域でしか販売されていない米菓子を、DO3TABLEでは厳選してお届けします。

服部醸造株式会社

代表取締役 服部 由美子さん

場所:八雲

生産者からのメッセージ

服部醸造の味噌・醤油づくりは、明治の北海道開拓にルーツがあります。服部家は代々、名古屋尾張藩に仕え、1878(明治11)年、開拓の使命を帯びて入植した藩士一族とともに来道。1883(明治16)年に徳川家が製造を始めた味噌・醤油の商標マルハチを受け継ぎ、1927年に服部醸造として創業しています。現在も看板商品となっている「OKみそ」を開発し、輸入大豆・輸入米を使うことで価格を抑え、スーパーなどの目玉商品となりましたが、2005年に八雲町と旧熊石町が合併し、日本海と太平洋、また美しい山々、清流をもつまちとなったことを機に、北海道、さらには八雲の素材による製品づくりに転換。同時に、培った発酵技術を活かし、北海道産のにんにくを使った「にんにく醤油」を開発。調味料として、また、にんにくは刻んでチャーハンに入れるなど、多様な使い方ができます。2023年に発売した「うにソース」は、北海道産のうにと奥尻ワインを使った、バルサミコのようなソース。ぜひ、味わってみてください。

有限会社タカハシ食品

専務取締役 高橋 京子さん

場所:函館

生産者からのメッセージ

祖父の代に、道南の海産物の卸販売を始め、身欠きニシンなど原材料の取り扱い、その後、加工品として佃煮づくりを行ってきたことが、当社のルーツです。佃煮の製造は、1984年から40年におよび、2010年からは函館に工場を構え製造を行っています。現在は佃煮のほか、甘露煮などの和惣菜をつくっていますが、いずれも直径約60センチという小さな鍋で一つひとつ炊いています。これは、大阪の製造メーカーから学んだ料亭のつくり方で、鍋はそれぞれ、製造する佃煮ごとに決まっており、煮込んだタレを継ぎ足して使っています。常に多くの引き合いがあり、原料の安定供給が必要なニシン以外は、しょうがなどの薬味を含めて北海道産、国産の魚介にこだわっているほか、調味料は砂糖、しょうゆ、みりんのみで、化学調味料は不使用。すべて自社で調合しているため、微妙な味の変化にも対応できることが強みとなっています。素材の味を大切にすることを第一に、新しい時代の佃煮製品づくりにもチャレンジしています。

有限会社フォレスト

代表取締役 寺島 伸一さん

場所:滝川

生産者からのメッセージ

私たちフォレストは、地域の和菓子店で餡を炊いていた職人、和菓子をつくっていた職人とともに立ち上げた会社です。パンコーナーにいくと、ジャムパンの隣に「ジャム」があるのに、あんパンがあっても「あん」は置いていない。だから、あずきでジャムをつくったら、おもしろいのではないか、という発想から当社のジャムづくりは始まっています。餡とジャムは、実は途中まで作り方が一緒なんですね。北海道はいわずと知れた小豆の産地。地元の農家さんから仕入れを行うなかで、かぼちゃ、さつまいも、いちご、りんご、ハスカップ、ブルーベリー、ラズベリーなどを、こだわりを持って生産する方々とネットワークができていきました。そして、畑で話をするうちに、そうした産品の魅力を伝えたいという気持ちが強くなり、砂糖を極力使わず果物などの甘みを生かした製法により素材のおいしさを感じる、顔の見えるジャムづくりに取り組むようになりました。生産者の〝思い〟を感じていただけるとうれしいですね。

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